厚木基地◆近況
厚木、横須賀、朝鮮情勢でカラになる。
11月8日にすさまじい爆音…。
11月1日に原子力空母ジョージワシントン(GW)が横須賀へ戻った第1週は、米本国へ機体更新のため帰国するVFA -195(第195戦闘攻撃飛行隊)の飛行訓練が主だったが、11月8日から始まった全艦載機の飛行訓練は異常だった。
朝の静寂を破り、20機以上が北に向かって飛び立った、11時頃から厚木基地に戻ってきた艦載機は何度も基地上空を飛び交い、T&Gを繰り返していた。これは、厚木基地での実質的なFCLP (陸上着陸訓練)の再開だ。この日の撮影記録を見ると、1~2分に1機着陸が行われていた。基地周辺はすさまじい爆音に一日中おおわれた。少し静かな日は、「退役軍人の日」の木曜日の米国の休日だけだ。
朝鮮有事の厚木と横須賀
11月23日は日本の休日だが、米国は休みではない。このVFA-195が太平洋を越えるための訓練を続けていた。午後3時頃離陸したばかりと思われる機体がいつもの半分ぐらいの時間で帰ってきた。北朝鮮が韓国に砲撃したニュースが流れる。夕方には、無かったGWの出港情報が海保のHPに夜になって載った。24日早朝、GWは黄海で行われる米韓合同軍事演習へ慌ただしく横須賀を出港した。正規の艦隊を組む間もなく、4戦闘攻撃飛行隊のうち米国へ帰るVFA- 195を欠いた不完全な状態での出撃だ。
日米の政治家の間がギクシャクしているなか、軍人同士の日米の連携は、長年の積み重ねで一体感が増している。日本の西方に、新しく「西部戦線」とも言える戦場をつくりあげ、クレピネビッチが提唱しているエアー・シーバトルの戦略を早くも実現させようとしている。
12月3日から始まった沖縄周辺での日米共同統合演習は最大規模の演習になり、初めて韓国軍もオブザーバー参加した。日本周辺では、日米韓の3国の軍事同盟でなく、まるでひとつの国の軍隊に形成しようとしている。軍の独走を止める政治もない。(文・写真アキラ)