原発反対要望書 周防大島町長へ


「大島の静かな空を守る会」は次のような要望書を周防大島町長に送りました。

………………………………要望書………………………………

2012年7月10日 

周防大島町長 椎木 巧殿

大島の静かな空を守る会
 
 昨年3月11日の東日本大震災によって、福島県の東京電力福島第一発電所が爆発し、原発から30km内の住人が、住所をすてて遠隔地に移転しなければならない事態になりました。

 災害発生直後3月23日、「上関原発に反対する大島郡民の会」が貴職に、「無謀な上関原子力発電所建設をやめさせてください」という要望書を提出し、貴職からつぎのようなお考えを聞きました。

何があっても原発は安全だというのが大前提だ。
(上関原発は)今の状態では建設できない。
安全の保障がなければ作っちゃいけないですよ。   

―それでは限りなく「作っちゃいけない」ということに近いですね―

そうじゃないと。どこでもそうじゃないですか。

―「大島は困る」と言う権利はある―

困ることには、当然困ると言います。
廃棄物の最終処理ができていないことだ。危険なものの処理ができていないというのは非常に問題だ。埋めればいい、というものではない。
安全性が保障されていない現状では、建設は反対である。
国の安全政策がこわれた。私たちは、今と同じなら、上関原発の建設には反対ということになる。                   

(以上 未定稿による)
 その後まだ「原発は安全」という保障はどこからも得られていません。故郷をすてた福島県民の苦難の生活はこれからも長くつづきます。その福島県では30km以内の住民に退去命令、退避指示がでました。周防大島町は小松から下田までが30km内に入り、愛媛県の伊方原発は本町から45kmの距離にありますので、もし原発事故が発生したら、町民の大多数が地域退去、屋内退避を命じられ、あるいは放射能災害にさらされます。

 福島原発事故から80日後に、ドイツ政府は2022年までに原発を全廃することを決定しました。事故をおこした当の日本では、5月5日に全国50基の原発がすべて停止状態に入りましたが、まだ原発安全の保障が何も得られないのに、「原発が必要」というだけの理由で、今年6月16日、政府が原発運転再開を決定しました。貴職の「安全の保障がなければ作ってはいけない」という原則が、いとも簡単に無視されたのです。
 
 「原発は国の問題」という意見もありますが、いま原発の建設・運転をめぐって、原発周辺自治体が決定のカギを握っています。「お国がいうことなら、地方の住民の安全は無視されてもしかがたない」という、第二次世界大戦中の原則は、とうの昔に否定され、今は地方自治体の意思が、国の政治にたいしても影響力を及ぼすようになりました。ドイツの原発反対政策への転換も、もとはといえば5月12日のバーデン・ヴュルテンベルク州選挙で、「緑の党」州知事が成立したことがはずみになったと言われています。
 
 私たち「大島の静かな空を守る会」は、周防大島町の住民の安全な生活環境を守るという運動方針により、従来の「岩国基地への米軍艦載機59機移駐反対」の方針に加えて、「上関原発建設反対」を運動方針に掲げて、町民とともに原発建設反対の運動を進めることにしました。周防大島町は小さな自治体ですが、貴職が、地方から国の政策を転換させる意気込みで、上関原発建設と愛媛県の伊方原発再開への反対の意思を公に表明し、国に方針転換を求められることを、強く要望します。             

以上
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 上記のように「大島の静かな空を守る会」は、周防大島町の住民の安全な生活環境を守るという運動方針により、従来の「岩国基地への米軍艦載機59機移駐反対」の方針に加えて、「上関原発建設反対」を運動方針に掲げて、町民とともに原発建設反対の運動を進めることにしました。