総理大臣「答弁書」の取り消しと再編計画見直し推進の要望


1月26日、鳩山総理が、参議院議員の質問にたいして「厚木飛行場から岩
国飛行場への空母艦載機の移駐については<日米ロードマップ>に従って
進めていく考えである」と書いた「答弁書」を「閣議決定」して、参議院
議長に送付しましたので、これに抗議して、岩国基地に関係する米軍再編
計画の見直しを求める要望書を、下 記の政府関係者に送付しました。

内閣総理大臣  鳩山由紀夫
防衛大臣    北澤俊美
外務大臣    岡田克也
財務大臣    菅 直人
消費者担当大臣  福島瑞穂
内閣官房長官  平野博文
衆議院議員   平岡秀夫
参議院議員   藤谷光信
衆議院議員   志位和夫

                                      2010年1月29日  
内閣総理大臣 鳩山由紀夫 様
 
総理大臣「答弁書」の取り消しと再編計画見なおし推進の要望
 
 旧自公政権は、岩国基地周辺の住民の意志を完全に無視して、厚木基地
から岩国基地へ艦載機59機を移駐するという米軍再編計画を強行しよう
としました。艦載機が移駐すると、岩国市に隣接する周防大島町の頭上を
艦載機が1日標準120回、轟音をたてて飛行するとされています。このお
そるべき計画にたいして、町民の67.2%が、移駐計画の中止をもとめる署
名をしました。私たち「大島の静かな空を守る会」は、町民の要望を実現
するために、4年間にわたって、国と地方自治体の関係機関に移駐計画の
中止を求めてきました。
 
 旧自公政権は、町内での数度にわたる住民説明会で、艦載機移駐計画を
説明しましたが、計画はすでに閣議決定されたとの理由で、住民の要望を
聞くことはしませんでした。昨年夏の政権交代で、やっと旧自公政権の強
権政治が終わりをつげ、民主主義の実現を奉ずる新政権が成立しましたの
で、私たちは住民の声を尊重す る民主的な政治に変わってくるものと、大
きな期待をかけてきました。
 
 ところが1月27日の新聞で、神奈川県選出の公明党国会議員の質問趣
意書に対して、総理大臣が「艦載機移転はロードマップに従い進める」と
する答弁書を閣議決定して回答したことが報道されました。この晴天の霹
靂のような報道に、私たちは唖然といたしました。これでは、旧自公政権
と何ら違うところがありません。
 
 沖縄の普天間基地を辺野古に移設する計画に対しては、沖縄全県からの
強い反対の意志表示にこたえて、政府は、移転計画を「ゼロベース」にひ
きもどし、5月までに答えを出すとの計画のもとに、再編計画の「見直し」
をすすめていますので、私たちは、これから岩国基地への移駐計画につい
ても、地域住民の要望を聞き ながら「見なおし」作業が進められるものと、
経過を見守っていました。ところが厚木・岩国の移駐計画については、何
ひとつ「見なおし」作業を行わないままに、「ロードマップに従って進め
ていく」という総理大臣の意志を決定してしまったのです。防衛大臣は、
岩国基地周辺住民の要望を聞いて、岩国関係のことは「勉強不足 」と答え
ながら、「見なおし」のために一番重要な、地域の要望を聞くことすらし
ておられません。
 
 私たちは周防大島町民とともに、政府が岩国基地周辺住民の意志を踏み
にじるような総理大臣の「答弁書」の閣議決定を取り消し、緊急に「3党
連立政権合意」に示された岩国基地の再編計画見なおしを開始し、艦載機
の岩国移駐を中止する方向で、見なおし作業を推進されることを要望しま
す。
               大島の静かな空を守る会
                代表委員 下中嘉六、松田博、河井弘志
      連絡先 742-2602 山口県大島郡周防大島町油宇 福田忠邦気付