オバマ大統領に要望書


岩国基地周辺6団体がオバマ大統領に要望書
 

 3月30日、「大島の静かな空を守る会」など6団体の連名で、アメリカ合衆国大統領オバマ氏にあてて、米軍基地についての要望書を送りました。

 アメリカ国民は、数百年の永い間人種差別を受けてきたアフリカ系アメリカ人のなかから、自分たちの大統領を選び出して、アメリカン・デモクラシーは名実ともに世界の民主主義のリーダーシップをとりました。この新しいアメリカ大統領は、人間の痛みを理解し、世界の平和を希求するリーダーとして、世界中の草の根の民衆から、大きな期待をこめて見守られています。
 
 いま岩国基地周辺の住民は、艦載機の騒音や、飛行機事故や米兵犯罪などの災害に悩まされ、さらに59機の艦載機の移駐によって基地災害が増大しようとする事態に直面していますが、その苦悩もオバマ大統領には十分理解してもらえるものと思います。

 ところが、日本の米軍基地の災害の現状を、アメリカ政府に伝えなければならない日本政府は、基地周辺住民の苦悩をきちんと理解しようとせず、基地災害の実態をアメリカ政府に伝える役目を全くはたしてくれません。いかに民衆の痛みを知ろうとする心をもっているオバマ大統領であっても、情報が全く伝えられなければ理解することはできません。
 
 岩国基地周辺住民の6団体は、基地周辺住民の要望をオバマ大統領に伝える役割を、現在の日本政府に期待することは困難であると判断し、連名でオバマ大統領に直接訴えることにしました。和文は「住民投票の成果を活かす岩国市民の会」代表で牧師の大川清さんの新聞投書をもとに作成し、文章は慎重に推敲を重ね、独自の文書にしました。この和文を英訳した英文書簡は、井原勝介さんなど、多くの方々の協力を得て、大統領あての書簡にふさわしいものに仕上げることができました。
 
 この英文・和文の書簡を、岩国郵便局から書留でホワイトハウスへ送付しました。要望書の性格上、今回は基地周辺の災害の実態をくわしく報告することは控えました。今後の情勢をみながら、必要があれば、詳細な実態報告データを送ることも検討したいと思います。
 
 現在のところ、全国の米軍基地周辺の住民団体が、統一的な意見や要望を、日本政府やアメリカ政府に提出するにはいたっていませんが、今後、全国の基地周辺住民団体が協議して、合意できる要望や活動方針を追求し、連帯して日本政府やアメリカ政府に働きかける方向をさぐっていきたいものと考えます。みなさんのお考えをお聞かせください。

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                     オバマ大統領への書簡(和文)
                               
                                              2009年3月30日
 第44代アメリカ合衆国大統領
                  
 バラク・オバマ様

アメリカ合衆国や外国から集まった200万人の人々の前で行われたあなたの就任演説をきいて、私たちは深く感動しました。私たちは、46年前のマルティン・ルーサー・キング牧師が語った「夢」の実現を想像することができました。あなたの登場が、今なお根強く残る人間の差別を乗り越えて、すべての人々が平等に暮らすことのできる世界が開かれる前触れとなることを念願します。
 あなたがイラクのアメリカ軍を撤退する意志を表明されたことは、私たちにとって大きな救いとなりました。軍事力の行使は、新たな犠牲を生み、報復の連鎖を繰り返すだけで、真の平和をもたらすことはありません。聖書には「剣(軍事力)を持つものは、剣によって滅びる」と明記されています。どうか、力によって支配される世界を、話し合いと協力により本当の平和で豊かな世界へと「チェンジ(変革)」するために、力を尽くしていただきたいと思います。
沖縄や岩国などの、米軍基地に近い街では、人々は昼夜を問わず戦闘機の激しい騒音のもとで生活し、飛行機事故の危険と米兵の引き起こす犯罪におびえています。米軍基地をとりまくこうした現状を、どうかご理解ください。そして、基地周辺の住民の静かで安全な環境が守られるよう、岩国基地の強化を中止し、将来的には基地の縮小もご検討ください。世界中の人々が平和で平等に暮らせる世界が実現されるよう祈っています。

  ●英文要望書は「瀬戸内海の静かな環境を守る住民ネットワークのホームページに掲載されてい   ます。    http://www.geocities.jp/setouchi_net08/

  (「瀬戸内海の静かな環境を守る」というキーワードを入れて検索しても出てきます)<更新情報>2009年4月4日

 
 米軍岩国基地周辺の生活環境を守るために活動する市民グループ  (代表 河井弘志)

                 瀬戸内海の静かな環境を守る住民ネットワーク
                住民投票の成果を活かす岩国市民の会
                 住民投票を力にする会
                 草の根ネットワーク岩国>
                 愛宕山を守る市民連絡協議会
                 大島の静かな空を守る会
   
   連絡先 瀬戸内海の静かな環境を守る住民ネットワーク
              740-0042 岩国市青木町2-24-45 桑原 清方     
               Tel : 0827-38-1866 Fax : 0827-38-1867